組織図あれこれ

いまの会社をつくるにあたって、自分なりに決めていたいくつかの基本的な枠組みがあります。
そのひとつがピラミッド型の組織図です。よく目にするアレです。

アレはアレなんですが、私はアレを逆さにして見ています。
逆さにしたうえで、さらに三次元にして、前方に倒しこむようにして見ています。

毎度おなじみの、
トップに社長がいて、その下に取締役がいて、所長がいて、責任者がいて、現場の方々がいて…
ではなく、現場の方々がいちばん前にいて、その後ろに責任者がいて、またその後ろに所長がいて…という具合にです。

在宅ケアにおいては、なによりも利用者さんに直接訪問する人こそが、会社とステーションの代表なんです。それぞれのお宅に、それぞれの暮らしがあり、私たちはそのルールに寄り添いながらケアを届けています。病院や施設とのいちばんの違いはそこで、それゆえに大変だけれども、それゆえの醍醐味があり、利用者さんやご家族との信頼関係をふくめ、ケアが実ったときの充実感は何にも代えがたいものがあります。

そういういわゆるアウェーの状態に飛び込んでいって、看護、介護、リハビリなどの専門技能はもちろんのこと、自分の人間力をフル稼働させて時間と空間と関係をつくりあげる仕事なんです。

まさに「前線」ですよ。

もし、おなじみのピラミッドの形をイメージして組織づくりをしていたら、管理職は勘違いして思い上がった方向ばかり見てしまうし、現場の方々は勝手に動かざるをえないし、経営陣は「いつか報告を聞くまでようわからんけど、がんばってたくさん件数まわってきて」になっちゃいます。これでは前線にいる人たちの迷いや悩みがじかに見えてきません。それが見えてこないということは、経営においても次の一手がうてない、進められないということです。

なので、冒頭のような組織図を意識しているんです。
前線で動いている人たちのすぐ後ろで責任者が見守り、そのすぐ後ろに所長が待機していて、その後ろに会社があって、取締役がいて、経営者は最後方から大きく方向だけ間違えないように舵取りする、ようなイメージでいます。

現場にたいして私は、プロスポーツのチーム、あるいはアーティスト同士がコラボしている、みたいな感覚で接しています。どんどん揉めてもらっていいし、どんどん間違っちゃっていいんです。責任は取ります。やがて実現したいことを見失わないでさえいれば、そんなことも必ず肥やしになりますから。

いおりは、とても個性あるメンツ揃いで、しかもキャラクターがかぶってないところがいいな、とメンバーを見るたびに感じています。プロスポーツの世界でも、それぞれの個性が強いチームの方が魅力的だし、そういう面々がぴったり合って同じ目標に向かったときのパワーは凄いものがあります。

先日、リハの責任者が「今までにないステーションをつくりたい」と言ってくれました。
とてもうれしいです。私もまったく同じ思いです。

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