月刊誌『訪問看護と介護』で連載されていたまんが『家でのこと』が単行本になったそうです。
実はこの企画、立ち上がった段階くらいで医学書院の編集者さんにご相談をいただいたりしていて、それをきっかけに知り合った方々にはいまでもお世話になっていることもあり、個人的にも不思議なご縁を感じる一冊です。ステーションで購入するつもりでいたのですが、ありがたいことにご恵投いただきまして(R丸さん、ありがとうございます!)届いた当日に一気に読んでしまいました。
ひとこと。
おすすめです。
実際のエピソードをもとにしているそうですが、それぞれのエピソードがエピソードとして完結されず、絵のトーンと相まって「迷うこと」「答えがないこと」が心象そのままに滲んでいて、ダイレクトに感覚に入ってきます。いま訪問看護の現場にいる方々の背中を撫でてくれる、これから訪問看護をやってみたい方々の手を引いてくれる、そんな一冊になるのではないでしょうか。
「介入ってなんだろう?」
「他人と関わるってなんだろう?」
「人が実在するってどういうことだろう?」
利用者様のお宅では想像もつかない様々なことが起こります。
利用者様のお宅で起きていることは、街で起きていることです。
自分は街に住んでいますし、暮らしていますし、参加しています。
利用者様宅からの帰り道、いつもわからないことばかり考えていた自分の現場時代を思い出しながら読みました。いっけん矛盾する「揺らぐしかないから揺るぎないもの」がたしかにあることを感じながら冬の青梅街道を自転車で走っていた時間を、まるでついさっきのことのように思い出しながら読みました。
いまも相変わらずわからないことばかり考えています。