三年から半年

今日は、がんに罹患して摘出手術をしてからちょうどまる三年の定期検査でした。結果、CTも腫瘍マーカーもクリアし、ここからは定期検査の間隔を半年ごとに延長できることになりました。

ひとこと言っておきたいことがあります。医療従事者の端くれとして、ひとりの大人として、です。

現在、簡単に発信できるネットの影響もあるのか、日々、様々な医療業界の不祥事が報道されたり、反医療の極端な意見がたくさんの賛同を集めたり、何を信じていいのか正義はどこにあるのか、不安に思う方もたくさんいらっしゃると思います。

今日ちょうど主治医から言われたのですが、わたしが罹患したがんは、つい三十年ほど前までは不治の病でした。見つかった瞬間に麻酔科を叩き起こして緊急手術をし、あとは経過を祈る、でも予後不良の場合がほとんどだったそうです。

それが現在の医療では(ステージや生検がわたしと同様のケースの場合)ほぼ生命は助かるがんになっています。

たしかに医大の不祥事、病院のハラスメント、施設の不正請求など、目にするたびにげんなりします。でも、日々ほんのかすかな可能性に賭けて、研究と臨床に打ち込み、医療の歩みを進めてくれている人はたしかに存在するのです。そのほとんどを失敗しながら、そのたびに失望しながら、絶対に後退せず日進月歩で進めてくれている人がいるのです。「人」がいるのです。

医療業界にも是正すべき点は山ほどあるでしょう、これからますます変化を迫られるでしょう。そんな中でも、本質は何かを忘れてはいけないと思います。本質を手離さず日々挑戦してくれている人々へのリスペクトも忘れてはいけないと思います。

わたしは、がんに罹患するまで入院経験すらありませんでしたし、性格的には余裕で病院嫌いの人間です。そんなわたしが今回医療に助けられたことで直感的に思ったのは「時間をもらった」でした。

要注意期間である三年間を無事経過した今日、主治医、看護師さん、介護士さん、入院していた病院に関わるすべての人たち、これまでの医療や介護をつくってきてくれた人たち、皆保険制度を発案し構築してくれた人たちにあらためて感謝を申し上げたいと思い、文章にしました。

時間をもらったわたしは、自分なりにはがんばっています。うまくいってないことも多いです。

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