先月28日にウェルファーム杉並で開催された勉強会、
「多職種で取り組むアドバンス・ケア・プランニング」に参加してきました。
何かと話題ながら、なかなか取っつきにくいACPですが、
ようやくはじめて専門家(山岸暁美さん)のレクチャーを聞くことができました。
はじめに感想を述べさせてもらいます。
素晴らしい講師さんによる素晴らしいレクチャーでした。
是非一度、参加されることをおすすめします。
さて、自分なりに受け取ったものを書き出すとだいぶ長くなってしまうので、
今回は、考えるきっかけ、取り組む手がかり、について少しだけ書きますね。
まず、山岸さんが冒頭でおっしゃったことが印象的です。
「あくまで、ACPはアングロサクソン文化圏から輸入された概念です」
つまり近代的自我(=自分のことは自分で決定づける)がベースにあるということ。
ところが、日本は、良きにつけ悪しきにつけ、
家族規範に重心を置いたまま近代化を成し遂げ、その歪みがまだある国です。
ということは、自分たちの現在の風土に合わせて翻訳しなければならず、
翻訳するには、現在の文化や制度と折衷しつつ受容する必要があります。
誰にも訪れ、誰もにとって重要な局面での議論なのに、
いまいち二の足を踏んでしまう雰囲気、言葉がもやっとしがちなのは、
おそらく、ここがポイントなんだと思います。
自分で何にも決めないこと、あるいは決めさせないこと、
これが選択のひとつになっているのが現状じゃないでしょうか。
ただ、今後必ず何らかの議論が要求される領域でしょうし、
クイズのように明快な答えがある問いではないので、
地域全体での持続的な取り組み、多職種間でのタブーを外した議論、
それらが必要になってくるのは間違いないと思います。
あなたなら、何を手がかりに考えますか?
私は、帰り道をとぼとぼ歩きながら、あーでもなくこーでもなく、もしかすると、
「緩和」という考え方の無制限的な拡大が手がかりになるのかな、とぼんやり思いました。
また同時に、もしきっかけをつくれるとしたら、
造語するくらいのマインドとメッセージ性が必要なのかもしれない、とも思いました。