ブルーにダイダイが映える時

弊社は法人登記が2016年の12月なので、現在8期目の半分を過ぎたあたりにいます。まだまだ安定とは言い難いですが、苦しいこともありつつ、楽しく面白く続けられています。

一方で、ステーション開設からまだ2、3年の経営者さんたちの悩み、苦しみ、いや、もはや叫びをSNSで見かけない日はないですし、お会いした方からもよく聞きます。そのひとつひとつが、、、もうね、自分の記憶が掘り起こされて、、、血反吐。。わかりすぎるほどわかります。。。

特に弊社は一般的な訪問看護ステーションの経営とはやや異なる動き方「デザインラボと訪問看護ステーションの協働」を目指して立ち上げた会社です。

「デザイン?わたし医療者なんですけど?」
「そういう浮ついた感じは恥ずかしいからやめてほしいです」
「社長のツイートで採用に悪影響が出るかもしれません」

これ、立ち上げから2年間でほんとに言われたことですよ。びっくりでしょ。もう何度机引っくり返してやろうかと思ったことか。

それでもやめなかったのは、身もふたもないけど「運」があったからです。弊社は本当に(一部の)人に恵まれ、(一部の)人からの評価に恵まれました。それがひとつ。あともうひとつは、起業時の自分たち(弊社はわたしともうひとりの役員で立ち上げています)のインスピレーション「必ずこういう考え方/動き方が必要になるはずだ」という抜きがたい実感があったからです。

その「必ずこういう○○が必要になるはずだ」について、自分の中で決めていたルールがあります。

それは、まず先に「こういうヴィジョンがあるからそちらへ向かえ」と指令を出すのではなく、自分が先に行き、井戸を掘り当て、土地を耕し、「こっちの方がよさげだよ」とあとからスタッフたちを呼び寄せることです。
いままさに真っ最中の経営者さんたくさんいると思いますが、これほんとに孤独でしんどいんですよ。新しい土地を開拓している間も、もちろん信頼と期待を切らしてはいけないわけです。ましてや開拓が期待外れだったとたん全員から一斉に背を向けられることもあり得るわけです。でも経験上、これ一択です。これしかないです。全員引き連れて開拓するのは至難の業、というかわたしには想像すらつかないですね。

そんなこんなをやってきた結果、まだまだ道の途中とはいえ、今期から全社で新しい土地に移動できた実感があります。会社が目指していること、ステーションが目指していること、相乗効果が生まれ始め、全員で創りあげている空気感が出てきました。特にこの時期のこの地点を目指していたわけではなく、ふと気づいたらこうなっていた、なれていた、が正直なところです。

いまひとりで開拓真っ最中の経営者さん、開拓中から誰もに理解されるようなことなら、きっと実現してもあんまり面白くないと思います。未来をつくる価値は生まれないと思います。いつか理解される、いつか価値を創り出せる、そう信じて誰にもほめられぬまま孤独に開拓されているみなさんに心からエールを送りたいです。わたしも、これからもそのひとりであり続けるつもりです。

2件のコメント

  1. 山田康晴
    2024-08-11

    内山さん!

    こんにちはw

    語弊を恐れずに言えば「わかりますよ〜」
    私は経営者でこそないものの、それに準ずる動きをしているため、比喩で言わんとしておられること理解できます。
    トップランナーの見えているものって理解は得られにくい。先頭切って掘り当てて、背後から支えて。時に思いっきり足元崩されて…。

    でもね。やらないとね。

    今、ウチも”魔改造w”の真っ最中です。

    返信
    1. nursingcare_iori
      2024-08-22

      いやあ、傍目に見ていて、役員レベルの動きをされているよな…と平伏します。
      なかなかケアとデザインのニュアンスが伝わる方って少ないのですが、山田さんには共鳴していただいている気がしています。多謝。。

      返信

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