卒業のご挨拶-事務アシスタントより

いおりで事務アシスタントのアルバイトをしているお茶の水女子大学4年の関ゆみんと申します。ブログを書くのは2度目です。2月末をもってアルバイトを卒業するため、最後にまた執筆の機会をいただきました!

大学3年生の春、大学の講義の中で紹介を受け、いおりで事務アシスタントのアルバイトを始めました。それまで色々なアルバイトを試してきましたが、どれもあまり長く続かず、ちょうど当時も新しいアルバイトを探している時期でした。
在宅ケアに興味はあったものの「訪問看護」という言葉すらよく知らないまま応募した私を、いおりの皆さんは驚くほどあたたかく歓迎してくれました。あの時の「ここなら続けられそう」という直感は大当たりし、大学を卒業するこの時期まで2年間通い続けることができました。

いおりでアルバイトをする中で特に印象に残っているのは、ときどき看護師さんやセラピストさんの訪問に同行し、実際の看護やリハビリの様子を見学させてもらったことです。中でも、独居で高齢の利用者さんの訪問によく同行させてもらいました。ケアを必要としている人でも、家族や周囲の人々の支援を簡単に受けられるとは限らないこと、訪問看護やヘルパーさんの力を借りながらひとりで暮らしている方が多く存在することを知りました。また、訪問看護の存在は、人々の権利や生活を守るうえで必要不可欠なものであり、「家族がケアをすることが当たり前」とされるような社会であってはならないと強く感じるきっかけになりました。

いおりで働く皆さんを見ていると、訪問看護は、利用者さん一人ひとりの症状だけでなく、これまでの生き方や、家族構成、仕事や趣味、家の様子、経済的な事情などを把握し、他の医療機関と連携しながら、それぞれのニーズや生活スタイルに合わせてケアするという、非常に複雑で高度な仕事なのだと感じます。訪問看護と一口に言っても様々な事業所があって、雰囲気やサービスの内容も少しずつ異なるとは思いますが、いおりの皆さんのように、利用者さんやその周囲の人の暮らしや思いを尊重しながら、適切なケアのあり方について考え続け、お看取り後のケアまで丁寧に行っている人々の存在を知ることができ、私はとてもほっとしました。
私や私の周囲の人がいつかケアを必要とする状況になった場合を考えても、それまでより不安を感じなくなりました。いおりのような、個人を尊重することを軸とした「ケア」の方法、考え方、そして、訪問看護や介護にたずさわる人々の存在が社会においてもっと重視されていくべきだと強く思います。

いおりのすごいなと思うところは、そこで働く人々が、お互いのことをとても大切にしているところです。初めての勤務の日、オリエンテーションの最後に社長に教えていただいたことは「ここでは、いかなるハラスメントも許されない」ということでした。当然のこととも思えますが、代表から口頭でしっかりこのことを言ってもらえたアルバイトは初めてでしたし、2年間働く中でこのことが守られていると実感することは何度もありました。「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」「ありがとう」と声を掛け合い、ときには談笑しながらお菓子を食べ、「推し」の話をするいおりの皆さんの雰囲気が、私が「働くこと」に対して抱いていた過酷で辛いイメージを変えてくれました。

4月から、社会人になります。ここで学んだことを存分に活かして、そしていおりの皆さんにも喜んでもらえるような仕事が何らかの形で実現できたらと思っています。

いおりの皆さん、いおりに関わってくださっている皆さん、2年間本当にお世話になりました。そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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