逆立つ緑

ひそかにシンパシーを感じていたり、ひっそり応援していたり、
そういう人とは現実には交わることなく過ぎてゆくことがほとんどだ。

自分にとってそういう人が稀にいるが、
その稀な人のうちのひとりが亡くなった。
亡くなっているのを公園で発見されたと聞いた。

会ったことも話したこともない。
とても明晰で、でも言語操作に加担せず、
いまにも陥落しそうな人が自分の皮膚に自分の手で触れ続けていられる、
そんな言葉を見つけようとしていた人だった、それを惜しみなく共有しようとしていた人だった。

他人の心はしょっちゅう他人の心のふりをしている。
他人の思いは他人のもの、関係ないと思っていたら、他人だけのものじゃなかったりする。

ここのところ、雨と風の強い日が多かった。
雨風と因果に巻きつかれた緑は、春めく機会を逸して、ただ逆立つ。

今日は午後から晴れるみたいだ。

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