遠回りして見えたこと

はじめまして、ナーシングケアいおり看護師のNと申します。
私はいおりに入社と同時に訪問看護を始めて、約3年半になります。それまでは、精神科病院の女性閉鎖病棟~美容医療のクリニックで働いていました。まず新卒では一般病棟からと言われることも多いですが、私は、母が長年、精神の訪問看護師をしていて子どもの頃から精神の患者さんに遊んでもらっていたことあり、精神科看護がとても身近でしたし興味がありました。また私の双子の姉も看護師で、彼女は外科に興味があり、現在は大学病院のオペ看をしています。

閉鎖病棟に勤務していた頃は、やりがいを感じながらも、先輩から「見捨てるよ」等、当時の私にはきつかった言葉の投げかけも多く、気持ちを溜め込み、看護師の仕事を‘先輩の目を気にしながら仕事をこなす‘ようになっていた感じが当時ありました。その為、環境を変えたいと思ったこと、生活費を稼ぐこと、同世代の若い看護師と働きたかったこともあり、美容医療のクリニックで働いてみました。

そこで驚いたのが、表向きとしては優しいスタッフたちで有名なクリニックでしたが、裏では、いじめや悪口が当たり前の環境で、社会人なのになんでこんなことでトラブルになるのかと感じることがあまりに多かったのです。そんな中、私は何がしたくて看護師になったのか振り返った時期があり、「そうだ、私は自分の身近な人の為に看護師になったんだ」と思い出しました。
母が、父が倒れた時に早急な処置をしたことで命を落とさずに済んだこと、祖父の異変に気付いて早期の対応ができたこと、などを見てきて“一家に一台”ではないですが、私の家族や、将来もし自分に家族ができたら看護師は1人いた方がいいと思ったからでした。自分の育った環境から自然とそういった影響をうけてきたのだと思います。

そこで友人や恩師等に相談していた際に、「訪問看護をしてみたら?」と言われたことがありました。母も訪問看護師でしたし、自分の感覚的に、看護学生時代の実習でも訪問看護の実習が好きでした。しかし、いざ、就活をすると「経験が足りない、訪問看護をなめているのか」と門前払いされることが多く大変でした。ですが、いおりの面接では、今まで感じなかった安心感、温かい雰囲気を感じ、地元ということもあり、いいご縁に巡り合うことができました。

入職した当初は自分なりに頑張ってはいたものの、非常に甘ったれで、毎日のように、社長や役員の方に弱音を吐きに行っていました(今もしょっちゅう行きますが、、汗)。それでも上司も同僚もいつも必ず耳を傾けてくれ、一緒に解決策を考えてくださったり助言をくださったり、いおりの皆さんの人柄に惚れて今も続けられています。

実は以前、フィールドワークにいおりに来た学生さんのインタビューを受けていた時、素直に口に出た話が二つあります。

ひとつ目は“病院・病棟と在宅は目的が異なるのでは?”ということです。
姉と話している時にも感じることなのですが、やはり病院・病棟は‘治す‘意味合いが強いです。ですが在宅は‘治す‘要素もあるものの‘病気とともにその人らしい人生を送れるようにお手伝いをする‘という感覚があります。

ふたつ目は“距離感が難しい”ということです。
私はご利用者様、ご家族様とのラポール形成を大事にするよう努めているつもりですが、同時にご利用者様の側に入り込み過ぎてしまわないようにと心がけています。近い距離間は大切ですが、看護師は家族でもないですし、あくまで制度やルールのもとで訪問をしているので、そこから逸れてはいけないなといつも思っています。また入り込み過ぎてしまうとトラブルになる危険もありますので、一定の距離感を保つように心がけています。もしそこが疎かになってしまうと在宅医療そのものが成り立たなくなる感じがします。

私自身、現在でもまだまだ足りない知識、医療技術等多くの課題がありますが、素直に訪問看護は‘楽しい‘‘私がやりたかったことはこれだ‘と思える3年半だったので、これからも引き続き自己研鑽しながらがんばりってまいりたいと思っています。

このエントリーをお読みいただいた皆様とどこかでお会いするかもしれません。その時は、どうぞよろしくお願いいたします。

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